健康診断の案内(ふつうエッセイ #212)

入社式、入学式、春の部署移動、桜の開花……。

新年度の訪れを実感する春ですが、バックオフィスの皆さまにおかれましては、きっと手元に「生活習慣病予防検診(以下「健康診断」といいます)のご案内」が届く頃だと思います。

健康診断系の仕事は、年に1回、必ずやらなければいけない業務です。それは企業の義務であり、最低限の健康経営遂行のために調整が必要です。

現時点で、健康診断の業務がアウトソース&DX化できていない中小企業はそれなりに多いでしょう。仕事の難易度は低いものの、それなりに時間をとられる本業務に、僕も前職ではいやいやながら対応していました。(実際は、受診機関に電話し、社員と日程調整するだけなのですが)

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さて、話は「受ける側」の立場に変わります。

誰しも「自分は大病を患うことなんて、ない」と思い込んで生きています。「おれはガンかもしれない」と心配しながら生きるよりは、多少の楽観主義の方が気楽です。(義務とはいえ)わざわざ健康診断を受け、ネガティブな情報が出てくるかもしれないと思うと気は滅入ります。

「何もなければ良いな」と願いながら、どこかの数値は異常値を示します。検査結果も曖昧なもので「まあ経過観察で、気になったら病院に行ってね」という感じだったりも。どっちやねん!と。

でも不思議なもので、しばらくは健康診断の記憶が頭の片隅に残ります。尿酸値が高かったら「今日はビールは止めておくかな」という感じで。毎日体重計に乗るわけではないけれど、体重計に乗った後(体重が想定超過していたときは特に)に「食べる量を減らそう」と思うようなものかもしれません。

このように、視点によって救世主にも死神にもなり得る健康診断。

黄緑の封筒をしばし手に取り、おそらく今年も、6〜7月くらいに受診すると思います。