寝不足にチョコレート(ふつうエッセイ #150)

うっかり仕事に熱中して、朝4時まで作業をしてしまった。

作業中は気にならないのだが、寝不足は時間をかけて身体にダメージを与える。案の定、翌日は頭がぼーっとして、風邪をひいたときのような気怠さを感じた。オミクロン株が感染拡大している中で、体調の変化には敏感になっている。精神的にも、寝不足の後遺症はつらいものだ。

思い立って、コンビニでチョコレートを買う。

普段チョコレートを買わないので、棚に陳列されている商品の豊富さに驚きつつ、いちばんスタンダードなチョコレートを購入した。明治のアーモンドチョコレートだ。

1箱あたり500kcalという栄養成分表示には、驚きを通り越して引いてしまったのだが、食べた瞬間、唾液が口の中にぶわっと広がった。その甘さは、疲れた身体に間違いなく浸透していった。

これはすごい。

その威力におののくが、毎日のようにチョコレートを食べていたら、身体が甘さを「当然のもの」と受け入れてしまうだろう。

「それじゃ足りない」という感覚は、味覚の崩壊の予兆だろう。

言葉にも同じことが言える。

日々、甘い言葉を欲していると、同じような危機に陥ってしまうのではないか。甘さを常に欲してしまえば、実際に甘い言葉に翻弄されることになる。それは翻弄する加害者に問題があることは言わずもがななのだが、自戒できる範囲で気をつけないといけない。

甘い言葉には棘がある。古くから言われてきた金言だ。

甘さは、あまりに美味しくて、美味しいからこそ距離を取ろう。

特別な日に味わうための、とっておきとして楽しみたい。

https://www.meiji.co.jp/products/chocolate/06327.html