「あなたへのおすすめ」を別の言葉で(ふつうエッセイ #138)

「あなたへのおすすめ」機能の問題について。

広く語られるテーマだが、本機能が広く実装されていることから推察するに、間違いなく需要はあるらしい。

僕個人の好き嫌いで言えば、嫌いだ。嫌いというか不要だと思っていて、これが発見性を高めるツールなんですと宥められても、そんな管理は御免だと反論してしまう。

需要は認めるが、システムに行動を規定されたくはない。たださえ、システムにがんじがらめになっている。こんなに分かりやすい監視機能もないだろう。

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ここでふと疑問が浮かぶ。

僕は、誰かのレコメンデーションすら参考にしていないのだろうか。

いや、そんなことはない。友人から教えてもらったものはチェックするし、テレビ、新聞や雑誌などに掲載されている情報は何かと気になる。インフォメーションを完全に遮断したいわけではないのだ。

つまり「あなたへのおすすめ」という言葉や思想に引っ掛かっている。

広くおすすめされるのでなく、「あなた」に対するおすすめなのだ。僕の妻でも、友人Aさんでもなく、僕へのおすすめなのだ。

僕のことを熟知してくれて、どうもありがとうございます。……とは、なかなか思えない。へそ曲がりなのかもしれないが、お節介というか、傲慢だなと思ってしまう。その精度がどれだけ高かったとしても。

でも、別の言葉で置き換えられたら、印象が変わるかもしれない。

「あなたへのおすすめかもね」とか?

「おすすめしてもよろしいでしょうか?」とか?

傲慢さは減じるが、おすすめという言葉に違和感が残る。

「○○’s セレクション!」とかどうだろう?ちょっと元気すぎるか?

こちらへの視点が傲慢に感じるので、せめて「おれたちのチョイスだぜ」という風にしてみたい。うん。あくまでサービス提供者側の視点なんだよ、という類の傲慢さであれば、心証を損なわないのではないか。

主語がどうなっているか、誰に向けられているのか、直接的なのか間接的なのか。

考えることは山ほどある。

他社サービスを模倣するのでなく、自分たちの言葉には責任を持ちつつ、文言を選んでもらいたい。自戒もこめて。謙虚であろう。