人に必要とされたい(Geumさん #1)

※文中にある名前は、仮の名称です。

* * *

オンマは言った。
「あんたが悪いのよ、あんたの家族はみんなおかしいじゃない」

アッパは言った。
「俺の悪口はいいけど、俺の家族の悪口だけは言うな」

がっしゃーん。
皿が割れた。

わたしの足に破片が刺さった。

オンマは言う。
「あんたなんか生まなきゃよかった」

わたしたちを生んでからおかしくなったらしい。
—最初の記憶 幼稚園年少 1994年

*

わたしは、’ザイニチ’らしい。
ほかのみんな、とは違うんだって。
なんだろう。
違うって、いいことだよね。
—ザイニチ 幼稚園年中 1995年

*

ウンテイで遊んでた。
一緒に遊んでる男の子。
かれは、わたしを怒らせる
“おまえ、オカマでしょ”
わたしは言った。
—オカマ 幼稚園年長 1995年

*

“オンマ、キッチンでたばこ吸うのやめてよ。くさいよ”
—たばこ 幼稚園年長 1995年

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