差し入れという提案(ふつうエッセイ #296)

こんな暑い日、欠かせないのが水分である。

冷房の効いた部屋の中で働く人もいれば、どうしても屋外で仕事をしなければならない人がいる。

工事現場で働く人たち、警察官、引越し&宅配業者の皆さん、ごみ収集員……

これ以外にも、たくさんの人たちが猛暑下で働いている。日本に限る話ではない。彼らのおかげで、世界中の日常や経済活動が成り立っているのだ。

もし余裕があれば、近くで働く人たちに差し入れしてほしい。顔見知りでなくて良い。「お疲れ様です」と一声かけて、人数分の飲料水を渡してみる。嫌がる人はいないだろう。

傍を楽にする=働くことで、彼らは報酬を得ている。労働を経て収入が入るのだから、別に差し入れなんて必要ないのではないか。

僕は、そう思わない。

「投げ銭」というシステムが一般化したように、報酬の出どころや種類は多様であって良いはずだ。それで得られた感謝の気持ちは、日々の仕事のモチベーションに変わるかもしれない。何よりこの暑さだ、水分はいくらあってもあり過ぎるということはない。

差し入れのハードルが高ければ、「ありがとうございます」と丁寧にお礼を言ってはどうか。

当たり前に見えて、当たり前じゃないことが、世の中にはたくさんある。誰かの労働によって成立している日常、当事者に、ちょっとだけ寄り添うことを僕は提案したい。

※世の中参議院議員選挙の真っ最中ですが、公職選挙法で「何人も選挙運動に関して飲食物を提供することはできない」と規定されています。この辺りの差し入れは、法律違反になる可能性が高いです。ご注意ください。