方針転換(ふつうエッセイ #103)

うーん、うーんと唸る。

筆が止まり、思うような完成形に至らない。時間ばかりが無情に過ぎていく。

やるべきことは明確だ。これまで書いてきたことをひっくり返さなければならない。ひしひしと感じる方針転換のプレッシャー、心地良いものではない。

そもそも僕のような無計画な人間は、何事も思い通りにいかないことがしばしばある。極めて安易に完成形を頭に描き、それに向けてテンポ良く進んでいく。

だけどその道は、ちゃんと「妨げなるもの」がポツポツと発生する。無理にねじ込みながら進むのだが、やがて、にっちもさっちも行かないような事象にぶち当たってしまう。いくら押してもダメだ。迷路でいう行き止まり。

方針転換とは、つまりは「引く」ということだ。

押したら、引けない。

だから無用なスイッチは押さないように気をつけているのだけど、ちょっとずつ予定調和に飲み込まれ、結果的に「引く」判断を後回しにしてしまうことがある。

ばっさりと、方針転換ができたら良いのに。

知らず知らず抱えている荷物が、自分の身体に馴染んでしまっているんだよなあ。年末という良い機会に、荷物を整理しておいた方が良さそうだ。