そば湯が好きだ。
蕎麦も好きだけど、食後に楽しむそば湯も趣きがある。
めんつゆと割って飲むのも美味しいが、ストレートで飲むのも良い。ちょうど良い温かさで、二日酔いのときに飲むと身体が落ち着く。実際にそば湯は身体に良いらしいので、毎日でも飲めたらなと思うほどだ。
そば湯の万能感を、日常のメタファーとして置き換えてみるとどうだろうか。というか、こんなに万能なのに、慣用句の1つにもなっていないのが不思議である。
犬も歩けばそば湯に当たる
そば湯は温かいうちに飲め
時はそば湯なり
花よりそば湯
すごい。既存の慣用句にそば湯のエッセンスを加えただけで、十二分に活躍しそうなポテンシャルを持っている。やっぱり、そば湯はすごい。
そば湯はなぜ美味しいのだろうか。
そりゃもちろん、そばからの出し汁だから。というのが1つ大きな理由だ。それに加えて「お湯」であることも見逃せないポイントのような気がしている。健康志向の方でもない限り、お湯を好んで飲む人はいない。だけど白湯は内臓にも良く、朝もしくは夜に飲むと身体がじんわり温かくなる。
この2つが合わさり、そば湯になる。
天は二物を与えるなあと思う。
そば湯を毎日飲みたくて蕎麦屋さんになるという人がいる、というのは僕の作り話だけど、あながち間違いではなかろう。
ほら、だんだん、そば湯が飲みたくなってきたでしょう?
今宵はしっぽり、お蕎麦でお腹を満たしましょ!