敷かれたレールの上を歩いていた少年が、進路選択の重要性に気付いたきっかけとは?(江戸川区の学習塾・前編)

考え抜いて決めたことなら、悔いは残らない

でも……と風間さんは気付いていた。

こういった行動ができたのは「たまたま運が良かった」からだと。

本来は、もっと早く進路選択について考えるべきだった。自分と同じ後悔をしてほしくない。次第に「教育」への道を志すようになる。

「進路は迷ったのですが、最初は民間企業に就職しました。教員免許を持っていなかったので、働きやすそうな大企業に就職しつつ、教員になるための勉強をしようと考えたんです」

そして3年間働いた後で、認定NPO法人Teach For Japanが展開するフェローシップ・プログラムに参加する。福岡県田川郡の公立中学校に赴任、英語科教員を2年間勤めた。自身のキャリアを振り返りながら、風間さんは「進路選択」への思いを語った。

「もちろん、やってみないと分からないことも多いはずです。それが正解かどうかは分からないから、考え抜いて決められれば悔いは残らないなと思うんです。塾の生徒たちには、僕と同じ後悔をしてほしくないと思っています」

* * *

「敷かれたレールの上を歩くのは上手だった」と語る風間さん。慶應義塾大学の理工学部という、ある意味で理想的なコースを敢えて外れる選択をしたのは、風間さんが「正解」を求めて試行錯誤した過程があったからのように思う。

インタビューの中で風間さんは「自分はすごく運が良いと思う」と語った。悩んでいても、その都度、解決に向かうきっかけがあり、最終的に良い方向に自分を導いていけたからだ。

だけどそれは「運が良い」だけではないだろう。「運を掴みに行く」姿勢が、風間さんに幸運をもたらしたのだと筆者は感じた。

後編では、教育業界に足を踏み入れ、そこで味わった挫折や苦悩について話をしてもらった。勝算なく開業した学習塾への思いや、今後の展望についてもぜひご一読いただければと思う。

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