スマート?(ふつうエッセイ #67)

誰かが「最近、スマートって言葉多いな!」とツイートしていた。

どなたのツイートだったか憶えていないので引用できず申し訳ないが、なるほど「スマート」という言葉は多用されている。おそらくiPhoneをはじめとするスマートフォンが広く使われるようになってから、スマートブームが始まったのではないかと思っている。

外観がかっこいいというよりは、従来型携帯電話と比べて多機能で使いやすいという意味で「スマート」という形容詞がつけられたという説が有力だ。もちろんiPhone発売当時、洗練されたデザインに多くの人が熱狂したことも「スマート」の一般化を後押ししたはずだ。

スマート、スマート、スマート。

Googleで「smart スタートアップ」と検索すると、たくさんのスマート系のサービスが表示される。どうやらスマートブームは、タピオカよりもロングヒットを続けているようだ。

だけどもちろん、その全てがスマートなのかと言えば疑わしい。

とりあえずスマートとつけておけば「それっぽい」。なんだけど、そもそも自分のことをスマートだと名付ける人って、あまりいないんじゃないかとも思う。iPhoneもきっと最初は自らスマートフォンとは名乗らなかったのではないか。ユーザーや第三者がスマートフォンと呼び、結果的にiPhoneはスマートフォンというカテゴリーに並ぶようになった。

スマートなんとか、というネーミングを否定したいわけではない。

だけど、ちょっとあまりにスマートブームが過熱し続けているので、そもそもスマートなんとかってつけると差別化できないような。そんなおせっかいを焼いてしまうほど、スマートという言葉は魅力なのかもしれないね。