ただ歩いているだけなのに(ふつうエッセイ #50)

車のクラクションが苦手だ。

歩道をふらふらと歩いていたら、後方から突然クラクションを鳴らされることがある。後方からの車の接近に気付いていない僕も悪いかもしれないけれど、手加減なく鳴らされる音に心臓がキュッと縮まる思いがする。

慌てて道をあけ、車の通過を促す。

彼らの反応は3種類だ。

・にらむ
・無視する
・頭を下げる

よほど態度が悪いと、車を蹴り飛ばしたくなるが、無用なトラブルは望むところではない。

もちろん車側の立場で、歩行者に道をよけてほしいというような状況もあるわけで。

両者が良い感じで、和解できる術はないだろうか。ただ歩いているだけなのだから。