あまりの暑さに。(ふつうエッセイ #625)

ありがたいことに僕は昔から代謝が良い体質だ。低血圧や便秘にも悩んだことはなく、摂取したカロリーは何かしらの形で消費されている。

唯一困るのは、若干汗をかき過ぎるということだ。最近はそうでもないが、社会人になりたてのときは緊張も相まって、クライアント先で滝のような汗を流すのが常だった。クライアントから心配されて、なぜか胃腸薬をもらったこともある。

とりわけ夏に困るのは、移動中だ。地球温暖化の影響をモロに受け、自宅からオフィス、オフィスからクライアント先など、移動中に身体が発せられる汗の量は尋常ではない。特にここ数年は運動できていないこともあって、身体の不純物まで流れてしまっている感覚がある。ありていに言うと「くさい」わけだが、何より自分自身の気持ちが下がってしまうのが何より嫌である。

5月にもかかわらず、真夏日の気温になることが増えてきた。もはや7〜8月は毎日真夏日で、真夏日という度合いを遥かに超えているわけだけど、5月の真夏日はなかなか適応しづらい。半袖の真夏日なら何とかなるが、昨日はジャケット着用の上の真夏日だった。案の定、ジャケットは汗まみれになり、急ぎクリーニングに回すことになる。

政府は「花粉症をなくす」と言い出した。確かに花粉症は多くの国民が困っているけれど、「花粉症、大変ですね」なんてレベルで軽く扱われることが多かったように思う。少なくない数の人たちが、3〜5月は息さえできないような苦しみを味わっている。何ごとも遅すぎることはないけれど、もうちょっと早く対応してもらえなかっただろうか。と岸田さん以前の政権に対して恨み節のひとつも言いたくなる。きっと彼らは花粉症じゃなかったのだろう。(と思って調べたら、どうやら花粉症の症状は多かれ少なかれあったみたいだ)

あまりの暑さ。地球レベルの問題なのだけど、抜本的な対策はできないものか。もはやクールビズで対処できるレベルではなくなっている。「暑さ、大変ですね」なんて慰め合う日々は不毛である。世界中のリーダーシップに期待したい。