借金(ふつうエッセイ #703)

日本には、借金という言葉はスーパーネガティブなものとして捉えられている。

借金=悪、というイメージは根強いものだが、案外言葉ひとつで「気にしない」ということも発生している。例えばローン。貸付金という意味だが、住宅や自動車をローンとしている人はけっこう多いはずだ。だけど住宅ローンはあまり気にされることがない。借金は嫌だけど、ローンはOK。それって何だろうか、とか思ってしまう。

そもそも「お金借りられる」ということは、その人の信用度を示す物差しにもなり得る。

何事にも「元手」というのが必要だ。1万円がなければ、「1万円を元手に2万円にする」というビジネスは成り立たない。だけど、1万円を借りることができれば2万円にはできるわけで、そこで貸し借りが健全に発生するなら御の字ではないだろうか。

もちろん、貸し借りには、「貸し倒れ」になるという可能性もある。借金で首が回らない、という状況になってしまうと、なかなか健全な日常を送ることはできなくなってしまう。何事もやり過ぎは良くない。

借金が悪いのは、バランスを欠いた貸し借りと、プロ野球の勝ち負けのふたつに限られるのではないだろうか。

とはいえ、ご利用は計画的に。どの口が言ってんだ、という感じもするけれど。