高校生のカップル(ふつうエッセイ #669)

高校生で、恋愛できない人生だった。

しばらく「男子校だったから」「進学校だったから」と言い訳していたけれど、高校生という二度と戻れない3年間を顧みたときに、ひどく後悔する自分に気付く。

恋愛しなかったわけではない。「あの子、好きかも」と思ったことはある。でも、たぶんその恋は本気じゃなかったから、「泣くほど悔しかった」みたいな記憶もないのだ。恋したら楽しいのは間違いないけれど、恋が叶わなかったときに絶望するほど悔しい思いをしなかったのも、後悔のひとつだ。

でも、やっぱり恋はしたかった。
「あの子が彼女だよ」なんて、ニヤニヤしたかった。相手が僕のことをそれほど好きでなくても構わない。なんだかんだ付き合って、思いきり彼女に熱をあげている状態が良い。たぶん勉強なんて、ひとつも手に付かないだろう。(僕が高校生の頃、ようやく高校生は1人1台携帯電話を持つのが「ふつう」になりつつあった)

高校3年生のとき、恋人がいたら、僕の人生はどうなっていただろう。

絶対に、勉強なんてできなかったと思う。

そう考えたら、恋人がいなくて良かったともいえる。あれだけ勉強に熱心になれた時期は、それはそれで貴重な経験だった。

だから、高校1年生のときが勝負だったのかな。ちょうど新しい友人ができて、それぞれの出身校の異性を紹介してもらったりして。

そのときに、途中で飽きて、「別に恋愛しなくても良いかな」とか思ってしまったんだよな。恋愛にうつつを抜かしている状態が、なんだか格好悪いと思ったんだ、確か。

高校時代を振り返ると、実に不思議なルールがたくさんあったなあと思う。ずっと戻りたくないと思っていたけれど、怖いものみたさでタイムリープするのも面白いかもしれない。

ってたぶんこれ、昨日「東京リベンジャーズ」の映画(2021年公開のもの)を観たからだよなあ。あのときも今も、おれって単純なんだよな。