膝の痛み(ふつうエッセイ #422)

股関節を柔らかくしようとストレッチを試みている。しかし、やり方がマズかったのか、急な膝の痛みが発生してしまった。

正直なところ、かなり痛い。

右膝下の内側で、検索すると、いくつか該当する症状が出てくる。素人では、正確な原因は特定できないが、痛みは依然として残っている。

普段、僕は、あまり風邪をひかない。身体の痛みに襲われることもない。だから、こういった「ピンチ」になると心が参ってしまう。弱音が口をつくのだけど、考えてみれば、加齢に従って同様のケースは増えていくわけで、そろそろ多少の痛みには慣れていかねばなるまい。

ちなみに僕は、「老い」そのものにネガティブなイメージはない。数年前に「そういうものだ」と受け入れるようになったのだ。

悪いのは「老い」ではなく、老いたことで卑屈になったり可能性を諦めたりすることだ。思い浮かべば、「なんでこのおじいちゃん(おばあちゃん)は、こんなに元気なのだろう」という人がいくらでもいる。そういう歳の重ね方をしたいものだと、常日頃、思っている。

さて、身体の痛みだ。これはもう不可避であり、生きていく中で折り合いをつけていくしかないものだ。

2日ほど続く膝の痛みは、どこかのタイミングで、さっぱりなくなっていくような気もする。希望的観測。だが、これまでも何度か膝付近が痛むことがあったけれど、かつての比じゃないほどに痛むから、長期化する可能性だってある。

早いところ、医者に行った方が良い。それは頭では分かっている。医療専門外の素人が、病院に行く / 行かないを決定する判断基準は身ひとつしかない。勝手に「行かない」と決めて、症状が悪化したら目も当てられない。

だけど、心では病院に行きたくないと叫んでいる。何とかごまかせないか妙案をあれやこれやと考えている。ちょっとプールに行って泳いでみるか、とか、銭湯で温めてみるか、とか。逆にジムに行って、膝周りを強化してみたらどうなるのだろう。

膝の痛みひとつで、ウダウダと考えられる日常とは、それなりに幸せなものだ。こんな駄文を打てるのも、キーボードを叩くのに膝を使うことがないからであって、キーボードを叩くたびに痛みが発生していたとしたら、それこそゾッとしてしまう(酷い虫歯とか)。

さあ、11月が始まった。2022年もラストスパートに入っている。締めくくるときに、「良い1年だったな」といえる状況を作るべく、もうちょっと踏ん張って生きていこうと思うのだ。膝の踏ん張りはきかないけれど。