凡庸だから作れるオモロさ。商売として突き抜けた先にあるもの(GOZEN代表 布田尚大さん・後編)

布田尚大=iPhone4?

現在の資本主義に一石を投じる布田さん。だが自らの評価は、僕が思うよりもずっと低い。

布田「謙遜でなく、僕は自分のことを凡庸だと思っています。『尖ったことやってるよね』と言われることもあるんですが、正直なところ、僕の周りの経営者やクリエイターには及ばない部分が多すぎて。彼らは、いわばiPhoneの最新機種のようなもの。彼らが持っている能力は、凡人の僕とは大違いなんです。
それに比べると、僕は能力も感性も、iPhone4のようなものだと思うんです。でもアプリはいっぱい入れてるし、アップデートもこまめにやってきた。機種変しなくても戦える生き方とか、起業とか、そういった道は提示していきたいです」

機種が古くても、お金がなくても、無料アプリを駆使しながら十分楽しんでいける。そんな喩えを語る布田さんのフットワークは、とても軽やかに思えた。

布田「自分がちゃんとやっていれば、そんなに拒絶されないだろうっていう気持ちはあるんです。高校生のときにヒップホップをやっていたんですが、全く繋がりがなかったので、とあるラッパーの方に『ラッパーになりたいんですけど』とメッセージを送って、交流に発展したことがありました。
なので『こんにちは!』って声を掛けることは全然苦ではないんです。ポジティブ大事、まずは行ってみようと」

仕事でもプライベートでも、「オモロい」と思ったことに飛び込んでいける。色々な分野に顔を出してきたからこそ、異能の発想を持ち込むことができるのだ。

ソーシャルM&Aで当事者同士を繋げるのも、布田さんの得意技のひとつ。少しずつ、布田さんが構想した世界が形になっていくような気がした。

布田「『ソーシャルM&A』はきっかけに過ぎなくて。ただ取引をするだけでなく、全く知り合っていなかった者同士が、GOZENをきっかけに繋がったら面白い化学反応が生まれると思うんです。僕が媒介となることで、面白い人たちが『わちゃわちゃ』やるっていう絵を、ひとつでも多く実現していきたいですね」

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