書き出しのパターン(ふつうエッセイ #448)

毎日、せっせと駄文をこねている。

好きで書いているのだが、毎回困るのが書き出しだ。分析しているわけではないが、どうもワンパターンな感じがしてしまう。

例えば、武田砂鉄さんの近著『べつに怒ってない』。123本の短いエッセイが収録されているけれど、「おお、これどうなるんだろう?」と先が気になるような導入で始まる。さすがプロだなと思いつつ、でもある程度類型化できることにも気付いた。

・時期について(例:小学校の頃〜)
・場所について(例:喫茶店に入ったら〜)
・状況の説明(例:○○というエピソードを聞くと〜)
・発見の説明(例:○○という人、いますよね〜)
・感情の説明(例:僕はいま○○と考えている〜)

こんな感じ。一番多い書き出しが、「〜〜〜〜だが、────です」という逆接の文章だ。(それに気付いたので、「毎日、せっせと駄文をこねているが、何だかいつもワンパターンな気がして悩んでいる」という本エッセイの書き出しをリライトした)

書き出しがワンパターンとは、捉えようによって、「別に良いじゃん」とも思える。もちろん最初に興味をひくことは大事だけど、技巧にばかりこだわっていても仕方がない。「誰が書くか」も大事だけれど、本質的には「何を書くか」がやっぱり重要なはずである。

書き出しは、何ならワンパターンでも良い。

少しでも良い「中身」を生み出せるよう、明日からもせっせと駄文をこねていこうと思うのだ。