19歳(ふつうエッセイ #381)

「うっせぇわ」や「新時代」などで知られるAdoさん。最近、彼女が19歳であることを知り驚いている。

そりゃ、最近は10代や20代前半のYouTuberも多々出現している。カルチャーの中心を担う人たちの年齢層は一気に低下している感覚を持っていたから、別に驚くことではないのだが。

ただやはり、あれくらいの知名度というか、スマッシュヒットした楽曲を生み出した人が19歳というのは驚くばかり。音楽の創造性はどんどん豊かになっていくなあと、カルチャーシーン真っ只中にいる人たちのことが少し羨ましくなった。

*

翻って、僕は19歳のときに何をしていただろう。

クリエイティブといえることは、何ひとつやっていなかった気がする。

いや、個人のWebサイトを作るのに没頭していた。SNSというのが出てきてからは、コツコツと日記やら写真やら音楽レビューやらの更新に勤しんでいた。iPodも出てきたタイミングで、駅前のGEOに毎日のように通い、せっせと楽曲をパソコンにインポートしていた時期でもあった。

そのときの経験や感性というのは、いまも生きている。自信を持って何かを生み出してはいなかったけれど、何かを生み出したいという思いはあった。いまでいう「何者」への渇望だ。

*

いま、僕は38歳で。19歳だったあの頃の2倍の年齢になっている。「幸せな人生を過ごしているな」と考えることもあれば、「どこで道を誤ってしまったんだろう」という後悔も少しはある。もうちょっと賢く生きていたら、聡明な自分であろうとしたら、38歳の人生はもう少し華やかだったかもしれない。

19歳→38歳。次は57歳だ。(何の次なのかは定かじゃないけれど)

19歳のときも38歳の自分を想像することはできなかったけれど、38歳のいまだって57歳の自分を想像することは難しい。不安だし、不確定だし、不確実だ。

19年後は、長男は働いているかもしれない。次男はちょうど20歳のタイミングだ。そう考えると、ワクワクした未来も予感できる。

Adoさんのように、とはいかないかもしれないけれど、僕もモノづくりに挑戦していたい。あわよくば、社会に届けられる人でありたい。

俺は最強だ。世界のつづきを、更新してみせる。