カフェテーブル(ふつうエッセイ #362)

カフェテーブルとは、なぜあんなにもガタガタなのだろうか。

テーブルにつき、コーヒーでも飲もうと息をつくと、テーブルがガタッと揺れるのだ。そんなテーブルに遭遇する確率がけっこう高いのだけど、僕だけだろうか。

たしかに、カフェにはたくさんの人が訪れる。毎日、まいにち、老若男女が席につき、テーブルにそれなりの圧力をかける。ほとんどテーブルに触れない人もいれば、忙しくなくタイピングする人もいる。場合によってはテーブルをガンガン叩きながら商談に臨む人もいるかもしれない。そりゃ、カフェテーブルの劣化は自宅のそれとは比較にはならないだろう。

僕はけっこう気になるので、ペーパーナプキンを挟んで応急処置を試みる。カフェテーブルのガタガタは、だいたい僅かな隙間によって生まれるものだ。それで何とかなるので、声高に文句をいう必要はないのだ、本来は。

どんなテーブルにも「あし」がある。大型のテーブルにはがっしりとした「あし」が、1人掛け、2人掛けの小型のテーブルには心許ない「あし」がついている。テーブルも椅子も、古来からずっと作り続けられてきたものの、「完璧」といえるプロダクトには至らない。

今日も明日も、テーブルはガタガタを巻き起こしている。その裏側では、メーカーの不断の努力(製品開発)が進められている。のだと思う。

生まれ変わったら、家具職人になりたい。このガタガタに、この手で終止符を打ちたい。それができたら、たぶん、後世まで名を残せるだろう。