マメタへの愛の歌~胎児だった息子たちへ(碧月はるさん #1)

やがて一人目のマメタが産まれ、二人目のマメタが宿った。それからは、私の歌声に長男のそれが重なった。
チクタク、チクタク、ボーン、ボン。
息子と一緒に、今しかない時を刻む。手をつなげるほどに大きくなった息子と、お腹のなかの第二のマメタ。愛しいものが増えていく日々は、私を弱くも強くもした。

次男が産まれて数年後、リビングに寝転んでブロックで遊んでいた彼は、唐突に歌い出した。

「おおきなのっぽのふるどけいー、おじいさんのーとけいー」
「上手だねぇ。ちびもその歌すき?」
「うん、すき。にぃがね、いつもうたってくれたから」

巡っていく。引き継がれていく。命と同じように、こんな些細な一つひとつまでもが。ひたひたとあふれてくる感情を抑えきれず、次男をぎゅっと抱きしめた。

「だいすきだよ」

たった一言に無理やり凝縮した愛は、あれから数年経った今も、枯れることなくあふれてくる。「愛さなきゃ」が「愛したい」に変わり、気がつけば「愛している」になっていた。一人目のマメタは、もうすぐ私の身長を超える。二人目のマメタは、漢字の読み書きや算数を学びはじめた。時が経つのは早い。彼らはもう、マメタじゃない。でも、いつまでも私の息子だ。何歳になっても、この先、何があっても。

彼らがこれからも、ずっとずっと健やかでありますように。それが私の一番の望みで、はじめて彼らと出会った14年前から、唯一変わらない願いである。

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