7月末で閉店した、町のパン屋のこと

借金を背負いながら、売る努力をしてきただけ

パンの値段が安いことも聞いてみた。

「この辺のマーケットが安いんですよね。2月で閉店した裏の八百屋さんも、かなり安い値段で野菜を売っていました。300円の食パンよりは200円の食パンが好まれます。“安くて、そこそこ美味しい”というのがコンセプトでした」

「ちゃんとやってる人はネット販売とかもしていますが、そこまでは手が回りませんでした」

「最初はこの商店街でも4軒くらいパン屋があったんです。最初はその辺と勝負していたんだけど、コンビニができて。コンビニは強かったですね。だんだん他のお店も辞めちゃいました。今はそんなにコンビニと勝負しているという感じではないですけど」

あえて、安い価格設定をしているわけではなかった。

「パン」という商品を、お客さんが求める値段で提供する。味と値段、そしてライバル店の兼ね合いで、いくらでもお客さんは他店やコンビニに流れてしまう。

「常連客の皆さんは有り難かったですね。いつも来てくれて、パンを買ってくれるので」

「千葉でもお店を構えたことがあって。そこは住宅街だったんだけど、商圏の価格設定が全然違って、すぐに畳んでしまったんです。やっぱり難しいですね。それからはこのパン屋に専念して営業していました」

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