最近のウルトラマン(ふつうエッセイ #488)

戦隊モノにハマった長男は、予想通りというか順調にというか、ウルトラマンにもハマっている。

僕も幼少期、5歳でターボレンジャーを好きになった。ただ戦隊モノはそれ以降ハマらず、ウルトラマンに移行していた。祖父がウルトラマンのフィギュア一式を僕に買ってくれたからだ。

ものすごく寒い冬の夜、祖父と一緒におもちゃ屋さんに行った。ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース……。ヒーローがすべて揃ったフィギュアセットを、祖父が買ってくれたのだ。

そこから、怒涛の「ごっこ遊び」が始まった。テレビにいたウルトラマンが、目の前に佇んでいる。ハマらないわけがなかった。ときどき買ってもらった怪獣フィギュアと自由に戦わせ、小学校3年生くらいまではウルトラマン一色で楽しんでいたように思う。(それから興味は、ドラゴンボールやポケモンなどに移っていった)

年末年始に購入したフィギュアに加え、『ウルトラマン大図鑑ハイパー』という書籍も購入した。

長男は、朝も夜も、飽きずにウルトラマンを眺めている。ひらがな、カタカナをマスターしたばかりの彼にとって、ウルトラマンの名前は最も興味を惹く事柄なのだろう。子どもの集中力はすごい。

長男の背後から、僕もウルトラマンを眺めてみる。

すると、年々ウルトラマンのデザインに、ギミックが重ねられているのに気付く。初期のウルトラマンは赤色と銀色、そして青色のカラータイマーだ。独特の装飾をあしらっていたウルトラマンレオでさえ、この色合いは変わっていない。

本当に、ちょっとずつ、ちょっとずつ、ウルトラマンの生みの親にバレぬかのように、ちょっとずつ色と装飾が重ねられてきた。最新のウルトラマン(ウルトラマンデッカー)に至っては、身体が対称ですらない。カラータイマーも真ん中でなく、左胸に位置している。

長男にとって、はじめてのウルトラマンは、ウルトラマンデッカーになる。そんな彼に、「いやあ、昔はシンプルなデザインだったんだよ」なんて野暮なことを言っても仕方ない。そもそも僕は、懐古するほど熱狂的なファンでもないのだ。

ただ、もはやこのように鮮やかになったウルトラマンを、シンプルなデザインにしていくことは難しいだろう。iPhoneはもう小さくならないように、ウルトラマンも装飾は派手になっていく。

それこそ原研哉さんや深澤直人さんに、「ウルトラマンをデザインしてください」なんて依頼したら違ってくるだろうけど、でも、やっぱり子どもに喜んでもらうウルトラマンが求められるのだ。それが、今のウルトラマンの形状であれば、文句は言えまい。

いいじゃないか、派手なウルトラマンだって。

息子は既に、2月23日公開のウルトラマンデッカーの映画を楽しみにしている。僕もそれまでに、新しいウルトラマンをインプットしていなければならないだろう。道のりは、長く険しい。