歩いたら4kmだった(ふつうエッセイ #203)

3回目のワクチン接種を完了した日、諸事情あって4kmの道のりを歩いた。

本来、ワクチン接種後は安静にしていなくちゃいけないのだけれど、行きたかった企画展に足を運びたくて。自転車を使えない事情もあり、わりと「歩いたな」という実感があった。

とはいえ、たかが4kmである。

「そこ」までの距離って、たった4kmだったんだなと改めて気付いた。それは、もっと遠いような気がしていたからであって、意外にも4km(だいたい40〜50分くらい)で歩いていけることに驚きがあった。

自転車だと15〜20分程度、ジョグだと25〜30分程度。

それらとは違って、歩くのはゆっくりと身体を移動させる行為だ。

桜が咲いている。
あ、こんなところに白塗りの建築がある。

4km歩けば、発見もある。

だけどそもそも、A地点からB地点まで4kmというのが発見だ。

そうやって、フィジカルに踏みしめていくと、「東京」という街の輪郭を実感する。東京における4kmというのは、なかなかちょうど良い距離なのかもしれない。