シティボーイのABC(ふつうエッセイ #158)

他人の本棚を覗いていたら、雑誌「POPEYE」が何冊か並んでいた。

2014年4月号の特集は「シティボーイのABC’14」ということで、慄きながら雑誌を手に取ってみた。

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2014年ということは、今から8年前。雑誌には、8年前の野村周平さん、橋本愛さん、二階堂ふみさんが掲載されていて、今も昔も変わらぬスタイリッシュな姿に、やはり慄いたのであった。

「’14」ということは、きっと定番の特集なのだろう。

AはAMERICAN STANDARD、BはBOOKMARK、CはCHAIR、DはDIYと36のトピックが並んでいる。(ちなみにYはYAWNで、ZはZZZ…。ちょっと重複しているのではと気になってしまった)

仮にもWebサイト「ふつうごと」を運営しているので、こういう特集の仕方もあるんだなと勉強になる。写真と文字のバランス。フォントも1種類だけでなく、複数の種類を使ってリズムを加えている。

おそらく編集者は全部読ませるつもりはなくて、ページを繰る中で気になるところだけを「つまみ食い」してもらったら良いと思っているのだろう。このボリュームで720円というのだから恐れ入る。

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さてシティボーイについて。

シティとボーイで構成される言葉だが、具体的には誰を指しているのだろうか。

シティとは都市の意味だ。東京はシティだろうか、大阪は?福岡は?宇都宮はどうだろうか?そもそも東京はシティでなくて、ニューヨークあたりをシティと捉えているかもしれない。あるいは概念的な意味であるならば、どこに住んでいたとしても、シティ然としていればシティ○○と名乗っても良いかもしれない。

ボーイは少年の意味だ。20歳を境にボーイと非ボーイに分かれるのだろうか。いやいや年齢なんて関係なくて、常にSTAY GOLDの気持ちを持っているならばボーイと言えるのかもしれない。これまた何歳であっても、どんなに擦れていたとしても、ボーイ然としていれば○○ボーイを名乗っても良いかもしれない。

そんなぼんやりした境界の狭間に、シティボーイは存在する。今日はシティボーイかもしれないし、明日はシティボーイではないかもしれない。年柄年中、死ぬまでシティボーイを名乗る人もゼロではないだろう。

僕はなかなかシティボーイは名乗れそうにないけれど、たまにはシティボーイ的な思考で物事を考えてみたいときもある。シティボーイ的な思考というのは具体的に何なのかは分からないけれど、そんな正確さを突破したところにシティボーイの未来が待っているはずだ。

やあ、シティボーイ!

やあやあ、シティボーイ!

って、どこに行けばシティボーイに会えるんだろう?

これを読んでいるあなたは、シティボーイですか?