2021年10月31日投開票、第49回衆議院議員選挙が行なわれた。
結果は報道の通り、政権を担う自由民主党が絶対安定多数、野党共闘で与党に挑んだ立憲民主党が議席を減らし、日本維新の会が公示前の4倍近い議席を獲得した。
大物議員の落選も目立つ中、各政党は、次なる政局に向けて動いている。
誰それが辞任する、誰それが要職に就任する、誰それが誰それと連携を模索する……。投票率は55%台と、戦後3番目に低い投票率になる見込みの中で、「遠くの方で」作為的に作られたような余韻に、馴染むことは難しい。
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誰も知らない「選管」のこと
誰も知らない。
なんて大袈裟だけど、その選挙の裏側で発生していた喧騒を記事にしたいと思った。選挙をバックヤードで支える選挙管理委員会(以下「選管」という)。彼らの仕事のことは、殆ど知られていないからだ。
にも関わらず、選挙直後、静かに(一方的に)報道されるのが選管の「不手際」だ。
票数が正しくカウントされていなかったり、カウントすべき票が別のところでカウントされていたり。投票前には、投票用紙の誤送付の問題も指摘されている。
今後の要旨に関わるので予めエクスキューズするが、こういった報道のニュースバリューが低いと言いたいわけではない。報道機関は選管の不手際をきっちりと報じるべきだし、ミスをした選管は経緯を正しく踏まえ改善に努める必要があるだろう。「1票くらい、どうでも良いだろう」というわけにはいかない。民主主義の根幹に関わることだからだ。