ドーナツが呼んでいる(ふつうエッセイ #375)

BRUTUSの「ドーナツ特集」を読んでいると、それはもう素直に、腹が空いてくる。ドーナツを食べたくなっている。

できればスーパーマーケットで売っているパッケージングされたものじゃないやつを。チェーン店でも構わないけれど、揚げたてサクサクのドーナツが食べたい。贅沢は言わないけれど、温かいコーヒーも添えてほしい。

ドーナツは良い。

片手でも両手でも食べられる。

多少行儀に目を瞑れば、外で食べていても差し支えないだろう。

昼食にもなるし、もちろん、おやつにも適している。

パンと同じくらい、いやそれ以上に、バリエーションが豊富で飽きない。

頑張れば家でも作ることができる。

ああ、ドーナツは良いぞ。ドーナツ、ドーナツ。村上春樹さんの小説には、ときどきドーナツが出てくる。ドーナツが中心の映画ってあったっけ?あるなら、いますぐドーナツ片手に観に行きたい。

ドーナツを食べたい。ドーナツを食べるまで、僕の心にはぽっかりと穴が空き続けるだろう。